このジャケットは、耐久性を司る表地が擦れに強い綿+ナイロン混紡布・6/4クロスで構成されており、フィールドで求める強度と重量のバランスが高次元で保たれている事が気に入った。そして何より、初めて袖を通した際、良質なダウン特有の暖かさと共に、ジャケット自体が体に吸い付くように追従してくる不思議な感覚を感じた。ダウンを封入したチューブを鎧戸状に重ねた独自構造が生むこの着心地は、今まで自分の命を守る道具としていくつもの防寒ジャケットを着潰してきた私にとっても、正直ちょっとした衝撃だった。そんな訳で、P-MG1はフィールドでのマルチロールさという点において最上の選択だと直感したのだった。撮影対象である人々と共に日中は尾根やモレーン、岩壁に点在する草付きへと登り、日が暮れ始めるとキャンプに戻ってテントに潜りこむ。過酷な環境の中、太陽と月の巡り、そして仲間たちとのリズムが支配するシンプルな時間軸を楽しむ余裕と、私の仕事である「撮る」ために行う行動に更なる集中力を与えてくれるのは、いつだって自分の身を固める最良のギアだ。そして、このヒマラヤ旅で、P-MG1も自分にとってすっかり良き相棒になった。